「運送点呼管理」開発に至った経緯
どの会社でも必要な従業員の個人情報記録に始まり、運送会社において健康状態や適性診断の状況、事故や違反といった情報を記録することは業務を安全に行う上で必要不可欠です。
また、1年間の保管義務がある乗務点呼簿を手書き作成される運送会社が多いと伺いました。そこで、点呼簿にペンでチェックするようにiPadの画面上でタップするだけで記録(チェック)できる使い易いシステムの開発を目標に設定しました。
これらをiPadを使って手軽に記録できるソリューションはFileMakerを使えばほかのデータベースやプログラミング言語と比べ作成し易く拡張性やFileMakerの特徴であるデータ共有などに発展できる優れたシステムになると思い開発しました。
システムの特徴
iPad + FileMaker Goを有効に活用したソリューションです。
「運転者台帳」は運転者の個人情報ゆえ、ログインしてからのみ入力・閲覧・編集ができるような仕組みとしております。逆に点呼簿はなるべく煩雑にならないようにとログインしなくても点呼記録ができるように配慮しました。
運転者の個人情報が不用意に見られないためにも、点呼記録者が席を外す場合、どの画面からも「ログアウト」ボタンを押すことで個人情報が見られないようになっています。
※点呼記録簿は一般に縦軸に運転者名、横軸に点呼項目が記載されており、紙媒体の記録簿を使った点呼業務では行の見間違いのため間違った運転者の点呼記録をしてしまう問題が起こることがあります。
このシステムでは、こうした間違いを防ぐため記録は行(運転者)を選択してはじめて登録可能な状態となる工夫をしています。
機能
運送会社向け運転者の個人情報のほか、免許・各種保険・健康診断・適性診断・事故と違反履歴を管理するための運転者台帳機能と、乗務前・乗務後の点呼を記録する点呼簿をもったiPad + FileMaker Goのサンプルソリューションです。
サンプルのため一部機能制限があります。
- 住所入力時の郵便番号データは全国を網羅していません
- 点呼簿の作成は最大10件(10日分)までです。
11日以上の点呼簿を作成する場合、最も古いデータが自動的に削除されます。 - iPadでのみ動作します(PC版 FileMaker Pro(Advanced)では利用頂けません)
参考
点呼簿とは(点呼記録とは)
貨物自動車運送事業者は貨物自動車運送事業輸送安全規則により運行管理者が運転者に対し酒気帯び、疾病や疲労など安全運転をすることができない恐れの有無、その他運行前点検の実施や確認などを原則対面調査する点呼を行い、記録することとなっています。
この記録は1年間の保存義務があります。
iPad + FileMaker Goについて
Apple社のiPad上にインストールして使うFileMaker GoはiOS向けのアプリです。
同アプリはFileMaker Pro(Pro Advanced)を用いて開発したデータベースファイルを利用できます。
例えば、請求書や見積書、顧客管理や営業ツール、学校の成績管理はもとより、様々なアプリをiOSのプログラミング言語を覚えることなく手軽に作成できます。
また、FileMaker製品にはデータ共有機能がありPC(またはMac)上で共有設定すると複数台のPC(またはMac)で同じデータを閲覧・検索・編集することができます。(※ FileMaker製品ごとに共有できる条件が異なります)
当サンプルソリューションはこのFileMakerを用いて開発を行い、iPadで利用することを目的としております(製品版ではパソコンでの利用・データ共有も可能ですが、サンプル版には機能搭載しておりません)
謝辞
同サンプルソリューションの開発にあたりご協力頂いた一般社団法人トラックマネジメント協会様、同理事長の和田様、同会長の瀬尾様に感謝致します。