FileMaker Server の保存先とオブジェクトフィールドの保存先を変更する

FileMaker Server の保存先(ディスク)のサイズが肥大化して保存できないというリクエストを受けて対策しました。確認したところオブジェクトフィールドに格納されたファイルが多いため、保存先を変更することにしました。

オブジェクトフィールドとはファイル等を格納するための FileMaker のフィールド属性です。オブジェクトフィールドにファイルを格納する方法は、オブジェクト(ファイルなど)を直接 FileMaker のフィールドに格納する方法と、外部保存 という方法があります。

この外部保存の保存先はあらかじめ指定することができるのですが、FileMaker Server で …

デスクトップ上に FileMaker ファイルを格納する Database ディレクトリと、オブジェクトフィールドの外部格納先として Files ディレクトリを作成しました。このディレクトリについてはこの後で説明します。

FileMaker Server は何もファイルをホストしていないクリーンな状態です。

FileMaker Server でホストするファイルの格納先を規定の場所から別の場所へ変更します。 Admin Console の構成 – フォルダ で保存先を追加することができます。今回は説明のため FileMaker Sever をインストールした Windows Server のデスクトップにデータベースフォルダ Database とオブジェクトフィールドに格納するファイルを外部保存するためのフォルダ Files を用意しました。

デスクトップの Database フォルダに FileMaker Server でホストしたいファイル テスト.fmp12 を設置(アップ)します。

FileMaker Server Admin Console から テスト.fmp12 ファイルのホストを開始します。

ちなみに、ホストを開始すると追加のデータベースフォルダは設定変更することができなくなります。

ホストする前に FileMaker Server でホストするために必要な設定をしておきます。 この設定を忘れると、FileMaker Server でホストを開始することができなかったり、FileMaker Pro などのクライアントから接続できなかったりしますので注意してください。

設定は、ファイル – 管理 – セキュリティ で設定します。

ひとつめは、パスワードです。パスワードが設定されていなければ誰でもファイルにアクセスできてしまうため、安全性を高めるためにも設定しておいてください。FileMaker Server の初期状態ではパスワードが設定されていないとホストされないようになっています。

もうひとつは、拡張アクセス権 の設定です。FileMaker Server でホストしたファイルを利用するには FileMaker ネットワークによるアクセス (fmapp) にチェックをつけます。

オブジェクトフィールドに格納するイメージファイルを用意しました。

FileMaker Pro からイメージファイルをドラッグ&ドロップで追加します

FileMaker Pro でオブジェクトフィールドの内容を外部保存するように設定します。 こちらは FileMaker Pro のフィールド設定で該当オブジェクトフィールドのオプションをクリックしてデータの格納タブで設定できます。ここではオープン格納を選択しておきます。

オブジェクトフィールドを外部保存して、先のイメージファイルを追加するとイメージファイルは保存先フォルダに格納されます。

ところで、FileMaker Server でホストされたファイルと、物理的に離れたフォルダに保存されたオブジェクトフィールドのファイルはバックアップの際、どのように実行されるでしょうか。確認してみます。

まずは、FileMaker Server でオブジェクトをバックアップ対象から外す(バックアップしない)方法の説明から。画像のようにオブジェクトフォルダのバックアップを無効にした場合です。

FileMaker Server Admin Console でバックアップスケジュールを作成して、実行してみます。

バックアップ先には FileMaker ファイルはバックアップされているようです。ちなみに、オブジェクトフィールドは外部保存されているため、本来は外部保存したフォルダがバックアップされていなくてはいけないのですが、画像のようにフォルダは見当たりません。

続いて、Admin Console からオブジェクトフィールドもバックアップ対象に含めてみます。

こちらはバックアップ先に RF_Data_FMS というフォルダが作成されています。 オブジェクトフィールドの内容もバックアップされています。

このように FileMaker Server でホストしているファイルが肥大化してしまった場合、とくに肥大化の原因がオブジェクトフィールドのファイルにある場合は、別フォルダもしくは別ドライブにホストするファイルを格納すると解消されます。

ご参考になりましたら幸いです。